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【購入に役立つ】革の種類とランクを素材ごとに徹底解説!

2022年11月4日

加工前のさまざまな革素材

使い込むほどに味わいと愛着が増していく革製品。
末永く使える上質な革小物は、会社やイベントの記念品にぴったりです。
でも、「革小物の記念品に興味はあるけど、革の種類はわからなくて…」という方もいるでしょう。

この記事では、革の種類とランクを素材ごとに詳しくご紹介します。
知っておくと革小物を選ぶとき役立つので、ぜひ参考にしてください。

 

革の代表格・牛革(カウレザー)の種類とランク

加工や調達が比較的簡単で、さまざまな製品に利用されるのが牛革(カウレザー)です。
牛革はとても丈夫で長持ちし、エイジング(経年変化)も楽しめます。
見た目の特徴は、繊細できめが細かく、表面が美しい点。

牛革は、牛の年齢や雄・雌の違いでランクや特徴が異なります。
年齢の若い牛の皮革ほど高品質でランクが高く、高価になります。

牛革の最上級「カーフスキン」

カーフスキンカーフスキンは生後6カ月以内の仔牛の革です。
大人の牛の革と比べると、さらにきめが細かく、柔らかみがあり、軽いなどの特徴があります。
滑らかでしっとりとした手触りから、牛革の最高品質を感じられるでしょう。
また、特有の艶は使い込むほどに味わい深くなっていきます。
エイジングを楽しめるため、飽きがこない点も魅力です。

カーフスキンは牛革の最高品質とされていますが、耐久性は低め。
仔牛の革は薄く柔らかいため、傷つきやすく、手入れを怠ると長持ちしないので要注意。

カーフスキンの中でも希少な「ヘアカーフ」

最高品質のカーフスキンのうち、毛を少し残した状態のものがヘアカーフです。
上品な毛艶と手に吸い付くような滑らかな毛足は気品を感じさせます。

同じように毛を残した希少価値の高い牛革はハラコで、ヘアカーフとは別物です。

上質でバランスのよい「キップスキン」

キップスキンは生後6カ月から2年目くらいまでの牛革。
カーフスキンに次いで上質な牛革で、美しい質感を持ちつつ丈夫。
革に厚みがあって耐久性は高く、バランスの良い牛革と位置づけられています。

ちなみに、キップとカーフを厳密に分類しているのは日本だけ。
海外ではどちらもカーフとして扱われています。

丈夫で手入れが簡単な「ステアハイド」

ステアハイドは、生後3カ月から6カ月の間に去勢されて2年が経過した雄の成牛革。
キップスキンほどのきめ細かさはないものの、丈夫で耐久性は抜群。
そのため、長持ちさせやすいという特徴をもっています。

ステアハイドは食用牛の副産物として流通し、牛革の中で最も供給量が安定しています。
革が大きく、厚みも均一なので、手入れも簡単。幅広い製品に使われています。

適度に柔らかみのある「カウハイド」

カウハイドとは生後2年以上で出産を経験した雌の成牛革です。
雄の革を使ったステアハイドと比べると、やや柔らかくて薄い点が特徴。
丈夫さは劣りますが、高級なカーフスキンやキップスキンよりも厚みはあるので耐久性は一定以上あります。

カウハイドは、ステアハイドと同じく流通の多い食用牛の副産物。
ゆえに品質が安定しやすく、比較的丈夫で適度に柔らかみがあります。
靴や手袋など、耐久性と伸縮性が必要な革製品に使われることが多いです。

牛革の中で最も硬くて丈夫な「ブルハイド」

ブルハイドとは生後2年が経過して去勢されなかった雄の成牛革のこと。
牛革のうち最も硬くて丈夫で、柔らかみはほとんどありません。
去勢されなかった雄牛は傷が多いので、その形跡が革に残っている場合もあります。

シボと呼ばれる不規則なシワも多いのがブルハイドの特徴。そのため汎用性は低く、流通量も少ないです。
しかし、堅牢性の高さからライダースジャケットやブーツなどに使われることも多く、バイカーにも人気の革素材です。

流通量が非常に少ない「ハラコ」

ハラコハラコは漢字で「腹子」と書き、お腹の中や産まれてすぐに死んでしまった仔牛(胎児)の革を指します。
流通量が非常に少なく、市場に出回ることは滅多にないため、牛革の中で最も希少といわれます。

カーフスキンよりもきめ細かく、ヘアカーフのように短い毛が少し残るハラコ。
肌ざわりが抜群で、革のランクでは昔から最高級に位置しています。
ただし、手入れは難しく、非常にデリケートな素材といえます。

希少価値が高いハラコは需要と供給のバランスがとれておらず、仔馬(ポニー)の革をハラコとして販売しているケースもあります。
ご購入の際は十分に注意してください。

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牛革以外の革の種類とランク① 一般革

牛だけでなく、馬や豚などの哺乳類から作る革のことを一般革といいます。
基本的には牛革と同じく、滑らかな見た目としっとりとした肌触りが特徴です。

ほかの動物の革は牛革とどこが違うのか? それぞれの個性や特徴をご紹介します。

軽くて伸縮性が高い「馬革(ホースレザー)」

馬革は厚みや強度は牛革に劣りますが、軽さや柔らさ、伸縮性の高さが特徴です。

牛革に劣るとはいえ馬革の代表的なコードバンは別格で、牛革よりも繊維密度は高く、強度や耐久性にも優れます。
馬のお尻部分だけを使った革のため、一頭の馬から採れる量は極めて少量です。
希少価値の高さから「革の宝石」「革のダイヤモンド」とも呼ばれています。

通気性抜群の「豚革(ピッグスキン)」

豚革は、数ある革の中で唯一、原皮を国内供給できる素材です。
表面には三角形に並んだ3つの毛穴があり、通気性は抜群。

ほかにも、摩擦に強い、薄くて丈夫、軽い、などの特徴をもつ豚革。
日本では牛革よりもランクは下の扱いですが、ヨーロッパでは高級素材とされています。

牛革よりも耐久性の高い「山羊革(ゴートスキン)」

山羊革は強度に優れ、型崩れせず、高い耐久性が特徴です。
表面には細かいシボ(模様)があり、傷が目立ちにくいというメリットも。

同じ厚みのものでも、牛革より耐久性は高く、手入れのしやすさもメリットに挙げられます。

別格の柔らかさを誇る「羊革(ラムレザー)」

滑らかで、ほかの革と比べても別格に柔らかいのが羊革です。
傷つきやすく、耐久性は低いですが、柔らかさを活かして衣類などによく利用されます。

生後1年未満の革を「ラムスキン」、生後1年以上の革を「シープスキン」と呼びます。

 

牛革以外の革の種類とランク② エキゾチックレザー

一般革以外では、エキゾチックレザー(レアレザー)という爬虫類や希少動物の革もあります。

エキゾチックレザーの利用や流通は、ワシントン条約などで厳しく取り締まられているのが現状です。
そのため流通量は多くありません。しかし、インパクトの強い革製品として根強い人気を誇っています。

高級エキゾチックレザーの代表格「ワニ革」

エキゾチックレザーの中でも高級皮革の代表格とされるのがワニ革です。
種類によって「クロコダイル」「アリゲーター」「カイマン」に分けられるワニ革。
ファッション性の高さや男っぽい見た目から、男性人気が高い革とされます。

大別して「肚(はら)ワニ」「背ワニ」があり、どちらも鱗の数や見た目の綺麗さで価格は上昇。
牛革よりも耐久性が高く、“革の王様”と呼ばれる場合もあります。

金運UPのイメージをもつ「蛇革(パイソンレザー)」

ワニ革に次いで高級とされるのが蛇革です。
軽くて柔軟性があり、細かい斑紋模様はエレガントな印象を与えます。

古くから蛇は神の使いといわれ、蛇革の財布は縁起がよく、金運が上がると信じられてきました。
「ヘビの抜け殻を財布に入れているとお金持ちになる」と伝え聞いて、やってみた方もいるのでは?

“レザーのカシミヤ”といわれる「鹿革」

日本では昔から鹿革はポピュラーな革として使われてきました。
軽くてしなやかで、耐久性・通気性に優れ、メンテナンスも簡単。
型崩れしにくいため、鹿革を使った歴史的な武具が綺麗な状態で発掘されるケースもあります。

雌の鹿から作られる革は「ディアスキン」と呼ばれ、とくに柔らかい肌ざわりから「レザーのカシミヤ」といわれます。

海の宝石「エイ革(スティングレイ)」

エイ革の特徴は、背中の中心にある白い斑点模様の「スターマーク」。
細かい粒状の鱗は、まるで宝石のよう。「海の宝石」ともいわれます。

水濡れにも強く、硬くて光沢感のある見た目から高級皮革素材として重宝されています。

クイルマークが特徴的「ダチョウ革(オーストリッチ)」

ダチョウ革は、表面のドット柄のような丸い突起模様「クイルマーク」が特徴です。
ワニ革と並ぶ高級皮革素材として知られます。

柔らかくて軽い革ですが、耐久性は牛革の数倍高いといわれ、長く愛用したい方にもおすすめです。

スポーツシューズに多い「カンガルー革(カンガルーレザー)」

傷やシワの多い革ですが、牛革(カーフスキン)と非常によく似ています。
繊維質の密度が高く、耐久性は牛革以上という評価もあるカンガルー革。
そのため、傷の少ないものはカーフスキンよりもランクが上と評されることも。

革の密度と耐久性が高いので、サッカーや野球などのスポーツシューズにもよく使われます。

 

本革工房の革小物は畜産副産物を使用

革と聞いて「動物の皮を使っていてかわいそうじゃない?」と思う人がいるかもしれません。
しかし、ほとんどの革製品には、食肉となる動物の皮(畜産副産物)が使われています。

そもそも畜産副産物って何?

畜産副産物とは、育てた動物を食肉にするプロセスにおいて残った肉以外の総称です。
内臓や骨、脂肪、皮など肉以外の全てを畜産副産物と呼びます。

「牛革のハラコのように胎児の皮を利用している」と言われれば残酷に聞こえるでしょう。
しかし実際は、ハラコはお腹の中で死産したり、生後まもなく亡くなってしまった仔牛の皮を利用しています。

例)700kgの牛の場合
肉  ・・・42%(290kg)
※骨  ・・・11%(80kg)
※脂  ・・・  7%(50kg)
※血液 ・・・  8%(56kg)
※内臓 ・・・10%(70kg)
※原皮 ・・・  8%(56kg)
※その他・・・14%(98kg)

※印が畜産副産物

畜産副産物を使うメリット

一般的に、牛革などの革素材は動物の皮から作られます。
ただし、牛革や豚革を作るためだけに家畜を犠牲にするようなことはありえません。
そもそも、皮は食肉部分と比べると安価な素材です。皮を取るために育てる意味はないといえます。

副産物として皮を使うことで、動物を余すところなく利用でき、むしろ環境に配慮した素材といえるのです。
丈夫で長く使うことができるため、エイジングも楽しめます。

本革工房も、畜産副産物の皮から加工した革を使用。
“環境にやさしいものづくり”を意識した革小物の製造を行ってきました。

「畜産副産物」参照サイト
http://www.jlba.or.jp/con05_1.html

 

まとめ

革の種類やランクについて解説してきました。
これまで述べてきた種類やランクを完璧に覚える必要はありません。
しかし、記念品に革小物をプレゼントすることになったら、喜ばれるものを贈りたいはず。

本革には、エイジングをはじめとする、合皮では味わえないたくさんの魅力があります。
みなさんが長く愛用できる革小物に巡り合えることを願っています。

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